犬のしつけの目的と基本3項目


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初めて犬を飼うと、吠えや噛みつき、床での排泄などに悩む方は多いでしょう。子犬の頃はちょっと目を離せば、靴やカーテンをかじる、ところ構わず排泄するなど飼い主を困らせるものです。私自身も30年前に初めて犬を飼ったときは、トイレのしつけや破壊行動に悩まされました。

小学校時代の私同様、しつけが上手くいかずに悩まれている方は多いのではないでしょうか。しかし、しつけにも重要なポイントがいくつかあります。このポイントを押さえていないと、いくらしつけをしても、その労力は報われません。逆に、ポイントを押さえておけば、効率の良いしつけが可能となりますので是非この記事を最後までご覧ください。

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「犬のしつけ」の定義

「しつけ」というと何を想像しますか? 
お座りや、お手の練習をしているところを想像される方が多いのではないでしょうか?

実はお座りやお手はドッグトレーニングでいう「しつけ」には該当しません。犬のしつけ初心者の方はここを勘違いされています。


しつけとは、



「人間社会で生活する上で、家族や周囲に迷惑をかけない犬に育てるためのトレーニング」


のことです。「オテ」という言葉を理解できないワンちゃんがいたとしても、それで周囲の人に迷惑をかけることはありません。しかし、一日中吠えているワンちゃんはどうでしょうか? 近所迷惑ですよね。人を見るたびに吠えかかったり唸ったりするワンちゃんはどうでしょう? 犬好きの人でもいい気分はしないと思います。特に犬が苦手な方は、恐怖を感じます。


このように、近所の方や外出先で会う人に迷惑をかけないように教育するのが「しつけ」であり、子犬のうちに最優先で実施するべきトレーニングなのです。

この記事では、「周囲の人とのトラブルになりやすい犬の行動とその予防策」について解説していきます。



この記事で分かること

  1. しつけの8割を占める基本項目3選
  2. 周囲とのトラブルになりやすい犬の行動
  3. 周囲とのトラブルになりやすい犬の行動の原因
  4. 周囲とのトラブルになりやすい犬の行動の予防策


家族を困らせる行動と予防策はこちら(執筆中)

オテやオスワリは大人になってからでも覚えられるよ。

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犬が周囲の人に迷惑をかけやすい行動と主な原因

犬の行動で、他人とのトラブルにつながりやすい行動はだいたい決まっています。そしてそれらは3種類に大別されます。

  1. 攻撃的行動(威嚇・噛みつき・吠えなど)
  2. 過剰興奮(引っ張り・飛びつき・吠えなど)
  3. 屋外での排泄とマーキングによる悪臭



攻撃的行動の主な原因

  • 未知の物に対する不安・警戒・恐怖
  • 欲求不満によるストレス

過剰興奮の主な原因

  • 犬の行動を容認しすぎ
  • 欲求不満

マーキング主な原因

  • 犬の匂い嗅ぎを容認しすぎ
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犬のしつけ3項目

しつけでやるべき内容は大きく分けると全部で3つ。

  1. 刺激に馴らす(社会化)
  2. 遊戯欲求を満たす
  3. 行動制限

これだけです。

これらは子犬の頃、特に社会化は最重要項目で生後3ヶ月までにやっておくことがとても重要です。何もしつけをせず1歳になってから始めるのと、子犬を迎えてすぐに始めるのでは、手間が10倍違います。しつけを始めるのが遅ければ遅いほど時間がかかり、余計な苦労を強いられることになりますので、是非ワンちゃんがおうちに来たその日から始めましょう。

オスワリやフセ、マテのトレーニングは、成犬になってからでも十分教えることができます。私たちが「しつけ」を他のトレーニングと分けて考えているのは、しつけは成犬になってから教えるのが非常に困難で、何よりも優先してやるべきだからです。

刺激に馴らす(社会化)

人や、物 環境に馴らすことを社会化といいます。これは、上記の攻撃行動要因「未知の物に対する不安・警戒・恐怖」を防ぐために有効なしつけです。犬たちは未知の物に対し恐怖心を抱き、追い払おうとして「吠える」「歯を見せて威嚇する」等の行動を見せます。これらの行動は恐怖心・警戒心など、馴れていないことに起因するネガティブな感情が引き起こすものです。

従って、馴れていれば恐怖心・警戒心が小さくなるため、攻撃的な行動は段違いに少なくなります(※)。重要なのは子犬のうちにいかに様々な刺激になれさせるかなのです。この「社会化」はしつけの中でも一番重要であり、一番手間がかかる物ですので、後日詳細を記事にする予定です。

社会化の具体的なやり方(執筆中)


※あくまでも「少なくなる」のであって、ゼロになるわけではありません。生き物に完璧はあり得ません。

遊戯欲求を満たす

犬たちも、欲求不満になるとイライラして攻撃的になります。毎日遊んであげてストレスを発散させてあげましょう。


動物たちの遊びは、野生化での行動に関係しています。犬たちは元々肉食で、狩りをしていた動物ですので狩猟欲求を満たすことが大切。動く物を追いかける(ボール遊び)、動く物に食らいつく遊び(ボール遊び、ロープを使った引っ張りっこなど)狩猟行動を再現する遊びをしてあげましょう。


遊びは子犬のうちから始めてください。成犬になってから遊びを教えようとしても、まず上手くいきません。子犬の頃に遊んでもらわなかったワンちゃんは、人が遊びに誘っても興味を示してくれないのです。逆に、子犬の頃から毎日遊んでいるワンちゃんは、大人になっても健全に遊び、飼い主さんとより良い関係を築くことができます。

ちょっと待って!だったらむしろ子犬のうちに遊びを教えなければいいんじゃない?そうすれば大人になってからも遊ぶ必要がないんでしょう?その方が手間が減りそうだけど…

 

 

違います!!!

  遊びを教えておかないと、適切にストレス発散ができないワンちゃんになってしまいます。ストレスが溜まったときに発散する手段がないと、ストレス過多のリスクを無駄に高める結果になります。ストレス過多による行動の多く(威嚇・吠えなど)は、飼い主さんや近所の方を悩ませるものです。その対応にかかる手間は、遊びの比ではありません。子犬のうちに遊びを教え、ストレスに対処出来るようにしておくことが大切です。

せっかくですので、飼い主さんもワンちゃんとの遊びを楽しみましょう。ワンちゃんと楽しめる競技などもあります。これらの競技は犬種によって、向き不向きがありますので、興味のある方は各競技のトレーナー、インストラクターにお問い合わせください。 

  • アジリティ
  • ディスク
  • プラー
  • K-9ゲーム
  • ドッグダンス

行動制限

必ず遊びとセットでやります。欲求不満のまま行動制限すれば欲求不満は加速し、ストレス過多により様々な問題を引き起こします。


しかし、自由にさせすぎるのもいけません。家の中も外も危険なものがたくさんあります。例えば、お散歩中に車道を歩くのは危険ですよね。なにか、物音がしたとき驚いて車道に出てしまうと、事故の危険があります。このような場合は、飼い主がリードでワンちゃんの行動を制御し守ってあげる必要があります。これが「行動を制限する」ということです。


また、自宅の中も危険な物であふれています。特にキッチンは刃物や犬が口にしてはいけない物など、多くの危険が潜んでいます。以前、大型犬がガスコンロのスイッチに触れてしまい、火災が発生したという話を聞きました。最近のガスコンロは、つまみを回すのではなく上から押し込むタイプの物が多く、小型犬以外であれば、ワンちゃんでも簡単に操作できてしまいます。


また、ソファやクッション、トイレシーツなどを破壊して綿を飲み込んでしまうと、腸に詰まって最悪死に至ることもあるので注意してください。ソファもクッションも、カーテンもテーブルの脚も、子犬にとってはオモチャです。子犬の頃にこれらを破壊する楽しさを覚えてしまうと、大人になってからもやり続けます。「いずれ飽きるだろう」とは思わないでください。


先述の通り、子犬の頃に覚えなかった遊びを大人になってからやり始めるケースは殆どありません。イタズラも同じで、子犬の頃に覚えなければ大人になった後もやりません。子犬の頃はとにかくイタズラさせないようにしましょう。 また、行動を制限することでトイレのしつけもしやすくなります。
トイレのしつけについてはこちら 


そして、好奇心旺盛なワンちゃんにイタズラさせないようにする方法は一つだけ。サークルなどで、ワンちゃんの行動を制限することです。「閉じ込めて可哀想!」と思うのであれば、犬を飼うのは難しいでしょう。誤飲させてしまう方がよほど可哀想です。


ただし、1日中サークルの中に入れたままなのは可哀想(虐待)ですので、頻繁にサークルから出して遊んであげて、遊んであげましょう。遊びが終わったらサークルの中で休息させてください。遊ぶ時間と休息時間のメリハリをつけることがとても重要です。 サークルの中で大人しくする練習も大切です。特に子犬のうちは、誤飲のリスクがとても高いので、見ていられないときはサークルに入ってもらいましょう。

まとめ

しつけの基本項目についてお話ししてきましたが、いかがでしょうか。長くなりましたので、この記事はここまでにします。後日、別の記事でしつけの3項目が、それぞれどのような問題の防止につながるか、詳しく解説します。

やることは多いですが、目的を理解した上でやっていただくと効率も上がりますし、挫折しにくいかと思います。ワンちゃんとは10数年間生活を共にしますので、子犬のうちにしっかりしつけておきましょう。1歳くらいまでは大変でも、残りの10年以上がとても楽しく楽になりますよ。

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