犬が吠える理由と無駄吠えを防止する正しいしつけの方法


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しつけ相談で多い内容の一つが、吠えに関するご相談です。この記事をご覧の方も

  • 愛犬の吠えに悩まされている
  • 吠えたときの正しい対処法を知りたい
  • 自分がやっている愛犬の吠えに対する対処が正しいか不安
  • 犬が吠える理由を知りたい

という方ではないでしょうか?
この記事では犬が吠える理由で多いもの3つと、それらの吠えに対する正しい対処法を解説します。

この記事で分かること
  • 犬が吠える理由3選
  • それぞれの吠えに対する正しい対処法
  • 犬が吠えるのを防止するしつけでやってはいけないこと、注意点
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犬が吠えるのには必ず理由がある、無駄に吠えることはない


最初にはっきりさせておきたいのが、「犬たちが無駄に吠えることはない」ということ。よく「無駄吠え」といいますが、これは人間が勝手に「無駄」と言っているだけで、犬たちは必ず目的があって吠えています。そして、犬たちの吠えがエスカレートするのは、吠えたときに彼らの目的が達成されているからです。

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犬が吠える理由、3選

一言で吠えといっても、その目的や動機付けでいくつかに分類することが出来ます。ここでは、犬が吠える理由を3種類を紹介します。

要求吠え

フードが食べたい、遊んで欲しいなど、犬たちが飼い主に何かを求めるときの吠えが要求吠えです。犬が吠える理由で一番身近なものといえるでしょう。対処が難しいため、悩まされている方も多いのではないでしょうか?要求吠えがエスカレートする場合、原因が人間(飼い主)の行動にあることが多いです。

警戒吠え

犬たちが彼らにとって怖い存在を追い払おうとしたときに吠えるのが、警戒吠えです。これも犬が吠える理由の中では定番です。中でも自宅で家の前を通る通行人に吠えかかったり、郵便物や新聞の配達員に吠えるのは、縄張りが関わってくるのでお散歩中の警戒吠えとは異なります。

遊びによる興奮吠え

意外と知られていないのが、犬たちが遊びで興奮した際の吠え。なぜか「犬が吠える=悪いこと」と解釈している方がいます。このような方は愛犬が少しでも興奮して声を出すととマズルをつかんで叱りつけることがありますが、興奮吠えは威嚇ではありません。人間に例えるなら、スポーツをしている人のかけ声や、試合観戦している人たちの歓声です。決して攻撃しようとして吠えているわけではありません。むしろ犬たちが遊びを心から楽しんでいる証拠ですので、興奮が過剰な場合を除き、無理に止めさせる必要はありません。

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犬の要求吠えの正しい対処法  

要求吠えに答えてしまうと、犬たちは「吠えれば自分の要求は通る」と学習してしまいます。要求吠えは無視するのが一番です。

ただし、基本的な欲求が満たされていることが大切です。ここが出来ていないと無視しても効果はありませんし、場合によっては虐待になります。例えば、散歩も行かない遊びもしない、一日中放っておかれているのであれば、要求するなというのは無理な注文です。犬が必要とする生物的な欲求を満たした上で、要求吠えは無視することが一番でしょう。一貫して無視を貫いていれば、犬たちは吠えても無駄だと学習します。要求することを諦めてくれるということです。

要求吠えの防止トレーニングをする際に注意すること

要求吠えを無視する際に注意しなければならないことが一つあります。特に今まで、犬たちの要求に応えてフードをあげたり、遊んであげたりしていた場合は、要注意です。

要求吠えを無視する一番の目的は、犬たちに要求を諦めてもらうことです。しかし生き物は、思い通りにならないからといってすぐに諦めません。特に今までに成功体験がある(要求が通っていた)場合は、なかなか諦めようとしません。それどころか「頑張って吠える」ようになります。今までは要求を聞いてくれていた飼い主さんに突然無視されると、犬たちは「聞こえていないのでは?」と勘違いし、より大きな声で吠えるようになります。

ここが我慢のしどころです。ここで、根負けして要求に応えてしまうと最悪の結果になります。犬たちが「頑張って吠えれば要求は通る」と思ってしまうからです。この「頑張って吠える」現象(「消去バースト」という)は一時的であり、無視を貫いていれば、「要求が無駄である」と理解してくれます。飼い主の超人的忍耐力が求められますが、頑張って無視しましょう。

犬たちがどれくらいで諦めてくれるかは、過去にどれくらい成功体験があるか、今現在どれくらい欲求が満たされているかで大きく変わります。要求吠えしていないときにしっかり遊んであげて欲求を満たし、要求吠えを無視するというメリハリを付けることが大切です。

 

 

犬の警戒吠えの正しい対処法

要求吠えと同じくらい定番のなのが警戒吠えです。この警戒吠えはケースごとに対処法に異なりますので、いくつか代表的なシチュエーションをピックアップして解説します。

お散歩中の警戒吠えに対する正しい対処

ワンちゃんの意識を警戒の対象からそらしましょう。一番簡単なのは、フードで誘導すること。警戒が強い場合は、警戒対象から少し離れ手からフードをあげるといいでしょう。重要なのは、警戒吠えさせたままにしないこと、警戒した状態で終わらないということです。警戒対象から離れてからでも、しっかりフードをあげてワンちゃんの意識を誘導してください。何回も繰り返しやれば、徐々に警戒対象に近い場所でも意識誘導が可能になります。正直ここに関しては、実践練習を繰り返さないと上手に出来ないと思います。

最悪なのは、吠えた直後に警戒対象がいなくなるという経験をさせてしまうこと。これを経験すると「吠えれば怖い存在はいなくなる」と学習してしまい、警戒吠えは悪化する一方です。

警戒吠えは大好きなフードで意識を警戒対象からそらし、フードを食べている間に警戒対象がいなくなったという経験をさせることが一番。繰り返し練習すれば、警戒対象のことなど気にもしなくなるでしょう。

ご自宅での警戒吠えに対する正しい対処


自宅での警戒吠えはいくつか種類がありますが、ここでは窓の外の通行人に吠えてしまう場合に限定してお話しします。

このケースでは、お散歩時の対処法である「意識誘導」を毎回実施するのは困難です。飼い主がお風呂に入っている間、外出している間に警戒吠えしていたら対処のしようがありません。ドッグトレーニングにおいて重要なことは一貫して同じ対応を行うこと。例外を作れば作るほど、ワンちゃんたちの学習は困難になります。自宅で窓の外の通行人に吠えてしまう場合、出来る対処法は環境設定と音響馴致だけでしょう。

自宅ではワンちゃんの意識を常に誘導するのが困難なため、重要なのは外の通行人に気づかせないことです。例えば窓に近づけないようにサークルを使用する、窓に目隠しを設置するなどが有効です。

「窓の外を見せてあげたい」とおっしゃる方もいますが、これは間違いです。ワンちゃんが警戒吠えするということは、ワンちゃんは窓の外を見て不安な気持ちになっているということ。窓の外を見てワンちゃんが喜ぶ(ポジティブな気持ちになる)なら分かりますが、警戒する・不安になる(ネガティブな気持ちになる)のであれば、なんのために外を見せてあげるのでしょうか?そしてワンちゃんが警戒する対象は、ただの通行人であったり郵便配達員であったり、本来は警戒しなくてもよい対象ばかりです。

ワンちゃんに窓の外を見せるということは、警戒しなくてもよい対象に警戒心を抱かせ、無駄に不安をあおっているということを忘れてはいけません。無駄なことをしているのは犬ではなく人間の方なのです。

窓の外に対する警戒吠え対処法、詳しくはこちら

犬の興奮吠えの正しい対処法

ボールを追いかけながら吠えたり、引っ張りっこしながら唸っているのを見て、威嚇していると勘違いされる方が意外と多いですが、興奮による吠えは威嚇ではありません。先述の通り、これは人間に例えるとスポーツをしている人や試合観戦している人たちのかけ声、若しくは歓声です。野球場で無言で観戦している人はまずいないと思います。興奮すると声がでるのは人も犬も同じなのです。

ですから、ボールを追いかけているときに吠えたり、引っ張りっこしながら唸っているのは決して誰かを威嚇したり攻撃したりしているわけではありません。むしろ、ワンちゃんが遊びを思い切り楽しんでいる証拠なのです。うるさすぎて周囲の迷惑になっていたり、興奮が過剰でない限り、無理に止めさせる必要はありません。

興奮吠えの対処でやってはいけないたった一つのこと

とはいっても過剰な興奮は習慣化するとハンドリングが困難になりますし、周囲に危険が及ぶこともあります。ワンちゃんの興奮が強い場合には、一度遊びを中断し落ち着かせましょう。このとき重要なことは飼い主さんが大きな声を出さないということ。

愛犬が過剰に興奮した際、飼い主さんが「静かに!!」「落ち着いて!!」等、大きな声を出す方がいます。しかし、これは逆効果であるということを覚えておいてください。飼い主さんの大声が、逆にワンちゃんを興奮させてしまうため、落ち着かせることがより困難になってしまうのです。

興奮している犬を落ち着かせる際、声かけの必要はありません。何も言わずワンちゃんのリードを短く(付け根をのあたり)を持ち、動きを止めてください。ワンちゃんが動き回っているとそれだけで興奮が強まります。人間でもランナーズハイといって運動するとテンションが上がることがありますが、これと似たようなものです。

ドッグランなどでノーリードの場合は、首輪やハーネスをつかんでも構いません。ワンちゃんの体の動きを止めたら、そのまま興奮が収るまで待ちましょう。

まとめ

如何でしたか?犬が吠える理由は、その動機付けにより様々な種類があります。この記事で扱ったのはその一部です。犬が吠える際の対処はその種類や状況によって異なります。「吠えたら叱る」や「吠えなかったら褒める」のような、十把一絡げの対応を鵜呑みにするのではなく、生物学的根拠・行動学的根拠のある方法を状況に応じて使い分けられる技術を身につけてください。

参考文献・お勧め図書

奥田順之『犬の問題行動の教科書』緑書房,2022

鹿野正顕『犬にウケる飼い方』ワニブックスPLUS新書,2021.

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